顎関節症

1. 痛みの原因を特定する精密な診査・診断

顎関節症は症状が多様なため、原因を正確に特定することが治療成功の第一歩です。当院では、多角的な視点から精密な検査を行い、患者さんの顎関節症の根本原因を究明します。

3D画像で顎関節を詳細に分析！歯科用CTによる精密検査

通常のレントゲンでは分からない顎の骨や関節の立体的な構造、軟骨の状態、顎の動きなどを歯科用CTで詳細に把握します。これにより、顎関節症の原因を正確に特定し、的確な治療計画を立てることが可能になります。

顎の動きを正確に記録する「顎運動測定」

開口量、顎の偏位（左右へのずれ）、カクカク音（クリック音）の発生タイミングなど、顎の動きを詳細に測定・記録します。これにより、顎関節にかかる負担や、不調の原因となっている具体的な顎の動きを客観的に評価します。

経験豊富な歯科医師による多角的な診査

口腔内診査はもちろん、触診、問診を通じて、顎関節の状態、筋肉の緊張、歯の噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばりの有無、そして患者さんの日常生活におけるストレスや習慣など、顎関節症に影響を与える可能性のある全ての要因を総合的に診査します。

2. 根本原因にアプローチするオーダーメイド治療

顎関節症の治療は、単に痛みを取るだけでは不十分です。当院では、精密な診断結果に基づき、患者さん一人ひとりの原因と症状に合わせた「オーダーメイドの治療計画」をご提案し、根本からの改善を目指します。

顎関節への負担を軽減するスプリント療法（マウスピース）

顎関節や周囲の筋肉の緊張を和らげ、噛み合わせのバランスを整えるために、患者さん専用のスプリント（マウスピース）を製作します。就寝中や日中に装着することで、歯ぎしり・食いしばりから歯や顎を守り、顎関節への負担を軽減します。

顎の筋肉の緊張を和らげる理学療法・薬物療法

顎周囲の筋肉の緊張が強い場合には、温熱療法や、ストレッチ、マッサージなどの理学療法をご指導します。また、痛みが強い時期には、必要に応じて消炎鎮痛剤などの薬物療法も併用し、症状の緩和を図ります。

噛み合わせの改善を伴う歯科治療（矯正・補綴など）

歯の噛み合わせの乱れが顎関節症の主な原因となっている場合は、矯正治療や被せ物（補綴）治療などによって、適切な噛み合わせを再構築します。これにより、顎関節への負担を根本的に軽減し、長期的な安定を目指します。

3. 痛みが再発しないための長期サポートと生活習慣改善指導

顎関節症は、一度症状が改善しても、生活習慣やストレスなどによって再発する可能性があります。当院では、治療で症状を改善するだけでなく、その状態を長く維持し、再発を防ぐための継続的なサポートに力を入れています。

専門スタッフによる生活習慣改善指導

歯ぎしり・食いしばり、頬杖、うつぶせ寝、姿勢、ストレスなど、顎関節症に影響を与える可能性のある生活習慣や癖について、患者さん一人ひとりに合わせた具体的な改善アドバイスを行います。

定期的なメンテナンスと経過観察

治療後も、顎関節や噛み合わせの状態を定期的にチェックし、必要に応じてスプリントの調整や、口腔内のクリーニングを行います。これにより、顎関節症の再発を未然に防ぎ、快適な状態を長く維持できるようサポートいたします。

他科連携による包括的なアプローチ

顎関節症は、全身の様々な要因と関連していることがあります。必要に応じて、医科（耳鼻咽喉科、整形外科、心療内科など）との連携も視野に入れ、患者さんの症状に合わせた包括的な治療をご提案します。

顎関節症を放置することのリスク

• 顎の痛みの悪化:
  症状が進行すると、顎関節や咀嚼筋の痛みが慢性化し、日常生活に支障をきたすようになります。
• 口が開けにくくなる・閉じられなくなる:
  顎関節の機能がさらに低下すると、口が大きく開けられなくなったり、場合によっては口が閉じられなくなったりすることもあります。
• 歯の損傷:
  歯ぎしりや食いしばりが原因の場合、歯がすり減ったり、欠けたり、最悪の場合は破折したりするリスクが高まります。
• 噛み合わせの悪化:
  顎の不調が長期化すると、全体の噛み合わせがさらに乱れ、一部の歯に過度な負担がかかり、歯周病や虫歯の原因となることがあります。
• 全身の不調:
  顎関節は全身のバランスと密接に関わっています。顎関節症が悪化すると、頭痛、肩こり、首の痛み、めまい、耳鳴り、手足のしびれなど、全身に様々な症状が現れることがあります。
• 精神的ストレス:
  慢性的な痛みや不調は、精神的なストレスとなり、睡眠障害やうつ症状を引き起こす可能性もあります。

顎関節症は、早期に適切な治療を行うことで、これらのリスクを解消し、健康で快適な生活を取り戻すことが非常に重要です。